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Project

奥州市公式マスコット「おうしゅうたろう」クリアファイル

Client

奥州市役所 / 自治体

Date

2024年5月

Highlights

  • 「市役所らしさの戦略的打破 「お堅い」という先入観を捨て、キャラクターの真のコンセプトである「イメージ打破」を体現した、意図的に型を外したデザイン。
  • 会話を生む「遊び心の仕掛け 無数のキャラの中に表情違いを紛れ込ませる「間違い探し」を導入。PR現場でのコミュニケーションのきっかけをデザインで創出。
  • Blenderによる高度な実写合成 光の当たり方や影を精密に解析し、3Dキャラと特産品現場をリアルに融合。説得力のある「特産品PR」の世界観を構築。
  • 二つの顔」を持つ機能的設計 表面の圧倒的インパクトと裏面の緻密な技術によるPR。一枚の中に遊び心と説得力を共存させ、市の要望を多角的に解決。

STORY

“お堅いイメージ”を、デザインで壊す。市役所らしくない一枚を、つくる挑戦が始まりました。

「市役所らしさ」との葛藤から生まれた、5つの提案

市から提示されたのは「公式キャラクターを前面に出しつつ、特産品・観光名所のPRにつながるデザイン」というミッション。

当初は「市役所からの依頼」という先入観のもと、整然としたレイアウト、落ち着いた配色――いかにも市役所らしい、カチッとしたデザインを制作していました。

しかし制作途中、ふと立ち止まりました。このキャラクターが生まれた理由は何だったのか。それは「市役所のお堅いイメージを打破する」という、明確なコンセプトでした。

であれば、デザインもその意図を体現すべきではないか――そう考え直し、市役所らしさから意図的に外れた、ユニークな別案を制作。最終的に、いかにも市役所らしいものから、キャラクターの個性を最大限に引き出したものまで、幅広い方向性を持つ5つの素案を提示しました。

その中で市の担当者が直感的に選んだのは、「最も市役所らしくない」デザイン。キャラクターのコンセプトが確かに共有できていた瞬間でした。

ブラッシュアップが生んだ、会話のきっかけ

選ばれた1案をベースに、さらに複数のブラッシュアップ案を提示。その中の1つに、無数のキャラクターの中にわずか数点だけ表情の違うものを紛れ込ませる、間違い探し要素を仕込みました。担当者がこれに気づいたとき、その場に笑顔が生まれました。そして即座に採用が決定。

これは単なる遊び心ではなく、デザインが会話を生む仕掛けです。イベントで資料を渡す際、「実は違うキャラが居るんですよ」という一言が、PRの現場でのコミュニケーションのきっかけとなる――そんな使い方まで想定した提案でした。

無数のキャラクターが生む、インパクトと遊び心

採用されたのは、キャラクターを全面に無数に配置したデザイン。整然とした市役所資料のイメージを打ち破る、カラフルで賑やかなビジュアルです。

この表現は、キャラクター導入の本来の目的をデザインで直接的に体現しています。手に取った人が思わず見入ってしまい、さらに会話が生まれる――機能としてのデザインを実現しました。

合成技術が実現した、特産品との共演

裏面では、特産品の生産現場の写真に3Dキャラクターを合成。まるでキャラクターが実際にその場で特産品を生産しているかのような、リアルな世界観を構築しました。

合成には3Dモデリングツール「Blender」を使用し、元写真のカメラアングル・光の当たり方・色温度・影の落ち方を徹底的に分析。これらの要素を3Dキャラクターに正確に反映させることで、違和感のない自然な仕上がりを実現しました。

表と裏で、異なる価値を届ける

表面は遊び心とインパクトで目を引き、裏面は合成技術による説得力で特産品をPRする――一枚のクリアファイルに、二つの顔を持たせることで、市の要望を完全に満たすデザインが完成しました。

「市役所らしくない」デザインが入口となり、奥州市の魅力を届ける。このクリアファイルは、遊び心と技術力の両面から、公式キャラクターの新しい活用事例を示した一枚です。

GALLERY

PHASE

コンセプト設計
クライアントの要望と目的を分析し、ターゲット・用途・訴求ポイントを明確化。デザイン全体の方向性と優先順位を定義し、制作の指針を確立しました。
デザイン提案
複数の方向性を持つデザイン案を制作・提示。クライアントが比較検討できる選択肢を用意し、最適な方向性の選定を支援しました。
ブラッシュアップ提案
選定案をベースに、さらに複数のバリエーションを制作。機能性と付加価値を高める要素を追加提案し、最終デザインの方向性を確定させました。
レイアウト構築
表面・裏面それぞれの視覚要素の配置・バランス・構成を設計。視覚的インパクトと情報伝達を両立させる画面構成を確定しました。
ビジュアル制作
デザインコンセプトに適した表現手法・素材・画風を選定し、必要なビジュアル要素を制作。全体として統一感のある仕上がりを実現しました。
印刷データ制作・納品
表裏のデザインを統合し、印刷業者の入稿仕様に適合したデータを作成。完成データとして納品しました。

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