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Project

奥州市公式マスコット「おうしゅうたろう」型抜きステッカー

Client

奥州市役所 / 自治体

Date

2024年8月

Highlights

  • コストを最適化する戦略的業者選定 特定の提携先を持たない強みを活かし、版代不要な業者を厳選。当初の予算内で1案から複数案へと制作の幅を広げ、クライアントの期待を超える成果を実現。
  • 製造効率と美しさを両立させる技術仕様 アンカーポイントを最小化した精密なカットライン設計。印刷業者の仕様を正確に読み解き、見た目の美しさと製造コストの抑制を高度に両立させるデータ制作を完遂。
  • Limited」の追記によるブランド価値の創出 非売品ステッカーに「限定品」としての希少性を付与。コピーライト表記に加え「Limited」の文字入れを提案することで、ノベルティにブランドとしての価値観を注入。
  • 多様な技術レギュレーションへの柔軟な対応 業者ごとに異なるカットラインや余白の仕様を網羅的に把握し適応。プロジェクトごとに最適な製造環境を選び取れる「縛られない強み」を、確かな技術力で裏付け。

STORY

“業者選定”が、可能性を広げる

ノベルティとしての配りやすさと、キャラクターの魅力を両立させる挑戦が始まりました。

「ダイカット×大量生産」という、相反する要求

クライアントから提示されたのは、スマホケースに収まるサイズ感で、四角や丸といった定型ではなく、イラストの形で型抜きするダイカットステッカーという仕様。さらに、ノベルティとして配布することを想定しているため、予算内でなるべく多い枚数を作ることが最優先でした。

ダイカットは美しいが、版代が高い――コストパフォーマンスが、このプロジェクトの成否を分ける鍵でした。


特定の提携先を持たないからこその、業者選定

型抜きステッカーの制作において、費用を大きく左右するのが「版代」と「ダイカットの対応可否」です。業者によっては版代だけで数万円かかることもあり、ノベルティ用途では現実的ではありません。

私は特定の印刷業者との提携を持たないため、プロジェクトごとに最適な業者を選定できる――この強みを活かし、複数の業者を徹底比較。ダイカット型に対応し、かつ版代不要な業者を見つけ出しました。

当初は予算の関係で1案のみの予定でしたが、最適な業者を選定できたことで、複数パターンのステッカー制作が可能に。クライアントの期待を超える提案が実現しました。


カットラインという、見えない設計

型抜きステッカーの制作で重要なのが、カットラインの設定です。印刷業者の仕様に適合させるため、イラストに縁取りを施し、精密なカットラインを設計しました。

特に型抜きの場合、カットラインのアンカーポイント数によって費用が変動します。アンカーポイントが多いほど複雑な形状を再現できますが、その分コストも上昇する――このバランスをどう取るかが、デザイナーの腕の見せどころでした。

イラストの形状を損なわず、イラストとカットラインの最低余白を確保しつつ、アンカーポイント数を最小限に抑える。見た目の美しさと、製造上の効率性を両立させるため、何度もカットラインを調整しました。


技術仕様が、デザインの自由度を決める

印刷業者の技術仕様を正確に理解することで、デザインの自由度は大きく変わります。

縁取りの太さ、カットラインとイラストの間隔、アンカーポイントの配置――これらはすべて、業者の仕様に基づいた設計です。仕様を無視したデザインは、どれほど美しくても製造できません。


自由な業者選定が求める、適応力

プロジェクトごとに最適な業者を選定できる自由には、裏返しとしてのデメリットも存在します。それは、業者によって仕様が異なるという現実です。

特定の業者と提携していれば、その仕様に習熟し、効率的な制作が可能になります。しかし自由に業者を選ぶということは、プロジェクトごとに異なる仕様に対応しなければならないということ――この適応力が、自由な選定を成立させる条件でした。

このプロジェクトでは、選定した業者の仕様を正確に把握し、縁取り・カットライン・アンカーポイントの配置まで、すべて仕様に適合させて設計。業者が変わっても確実に製造できるデータを作成する技術力が、自由な業者選定という強みを支えています。


「Limited」が加えた、希少性という価値

ステッカーはノベルティとして配布される非売品――この特性を明示するため、「Limited」の文字入れを提案しました。

当初はキャラクターに対するコピーライト表記のみでしたが、「Limited」を加えることで、このステッカーが限定品であることが一目瞭然に。非売品であることが、希少性というブランド価値に変わりました。


「縛られない」からこそ、最適を選べる

特定の提携印刷業者を持たないことは、一見すると不利に見えるかもしれません。しかしそれは、プロジェクトごとに最適な業者を選定できる自由を意味します。

このステッカー制作は、その強みが明確に活かされたプロジェクトです。業者選定という見えない工程が、デザインの可能性を広げ、クライアントの期待を超える結果を生み出しました。

GALLERY

PHASE

要件整理
クライアントの要望(スマホケースサイズ、ダイカット、ノベルティ用途)と優先事項(概算費用重視、多い枚数)を整理。プロジェクトの制約条件と目標を明確化しました。
業者選定
クライアントの要求仕様に最適な印刷業者を調査・選定。その結果、想定予算内で複数パターンの制作が可能になりました。
仕様理解
選定した業者の技術仕様(縁取り、カットライン、アンカーポイント)を正確に把握。仕様に適合し、かつコスト効率の高いデータ設計方針を確立しました。
デザイン制作
キャラクターの魅力を活かしたステッカーデザインを複数パターン制作。非売品であることを明示する「limited」の文字入れを提案し、ノベルティとしての希少性を高める要素を追加しました。
カットライン設計
イラストの形状を保ちつつ、最低余白を確保し、アンカーポイント数を最適化。製造効率とデザイン性を両立させるカットラインを設計しました。
印刷データ制作・発注
業者の入稿仕様に完全適合したデータを作成。縁取り、カットライン、データ形式すべてを仕様通りに整え、印刷業者へ発注。完成したステッカーを納品しました。

SKILL & TOOL

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