WEBサイトは、その作り方によって静的WEBサイトと動的WEBサイトに分類されます。
静的WEBサイトと動的WEBサイトの違いとメリット/デメリットについて解説します。
WEBサイトは、HTMLとスタイルシートによって作られています。HTMLによって文章に意味を持たせ、スタイルシートによって装飾を施します。
また、Javascriptによってアニメーションなどの動きを加えることもできます。
静的WEBサイトでは、このHTMLとスタイルシートがWebサーバーにファイルとして保存されおり、誰がいつ見ても同じ内容が表示されます。
Webサイトの内容を変更する場合は、Webサーバーに保存されているファイルを変更することになります。
例えば、「トップページ(index.html)」「会社概要(about.html)」「サービス紹介(service.html)」の3つのWEBページで構成されたWEBサイトでは、3つのHTMLファイルがWebサーバーに保存されています。
サービス紹介に変更を加える場合は、service.htmlファイルを編集することになります。
静的WEBサイトの一番のメリットは、「表示速度が速いこと」です。
Webサーバーは何も処理をすることなく、HTMLファイルがそのまま閲覧者のブラウザに表示されるため表示が速いです。
もう1つのメリットは、「セキュリティが強固」なことです。
静的WEBサイトは、「Webサーバーが何も処理しない」ことを前提に構築されていますので、悪意のあるプログラムが仕込まれたとしても実行されません。
制作側のメリットとしては、HTMLとスタイルシートだけわかればWEBサイトが作れることです。プログラムの知識が必要ありません。
1番のデメリットは、「編集が面倒」なことです。
前述「トップページ」「会社概要」「サービス紹介」の3ページで構成されたWEBサイトの例で、各ページに「お問い合わせ電話番号」が記載されていたとします。この電話番号が変更になれば、3ページ全てを変更する必要があります。もし、100ページで構成されたWEBサイトの場合は、どうでしょうか?100ページ全ての電話番号を変更するのは、非常に手間がかかりますし、入力間違いが発生することもあるでしょう。
2つ目のデメリットは、「プログラムが動作しない」ことです。
プログラムが動作しなければ、「お問い合わせ」も「予約受け付け」「ショッピングカート」も動作しません。一方的に情報を提供するだけのWEBサイトになってしまいます。
静的WEBサイトでは、誰が、いつ、どこで見ても、HTMLファイルに保存されたWebサイトの内容がそのまま表示されていました。
一方の動的WEBサイトでは、見る人、見る時間、見る場所によってWebサイトの内容を変更することができます。
例えば、「近くの飲食店」はWebサイトを見る場所によって変わりますし、昼に見ればランチ情報、夜に見ればディナー情報が表示されます。
このように情報が変動するWEBサイトが動的WEBサイトです。
動的WEBサイトでは、WEBサイトに表示する情報をデータベースから取り出し、プログラムによってHTMLファイルを作り出します。このプログラムは、PHP、Ruby、Pythonなどのプログラミング言語で作られます。
1番のメリットは「編集が楽」なことです。
100ページで構成されたWEBサイトであっても、データベースの情報を変更するだけで、100ページ全ての内容が更新されます。
また、編集者にHTMLやスタイルシートの知識がなくても、WEBサイトを更新することができます。
2つ目のメリットは、「プログラミングが動作する」ことです。
プログラムが動作すれば、「お問い合わせ」も「予約受け付け」「ショッピングカート」も提供することができます。
静的WEBサイトと比較して「若干表示速度が遅いこと」です。
閲覧者がWEBサイトを訪問した際に、プログラムが実行され、データベースからデータを取り出しHTMLを作成するからです。
とは言え、その差は10分の1秒以下と体感できるレベルではないことが一般的です。
比較項目 | 静的WEBサイト | 動的WEBサイト |
---|---|---|
表示速度 | 〇 | △ |
制作目線の容易度 | 〇 HTMLとスタイルシート | × HTML、スタイルシートに加えてPHP等 |
編集目線の容易度 | × HTMLを変更 | 〇 編集画面から変更 |
充実した機能 | × 文字と画像のみを表示するだけ | 〇 お問い合わせやショッピングカート等 |
セキュリティ | 〇 | △ |
WordPressは、「動的WEBサイトを構築するために必要な機能が、あらかじめ用意されたシステム」です。専門用語では、CMS(ontents Management System)と言います。
内部的には、phpというプログラミング言語で作られています。
全世界のWEBサイトのうち約43%がWordPressで構成されています。CMSだけで見ると半数以上の63%が、WordPressです。
それだけ、制作者にとっても編集者にとっても扱いやすいシステムです。
wordpressには
が用意されています。
WEBサイト制作に必要な機能があらかじめ用意されていますので、WEBサイト制作者は「見た目(テーマ)」だけを作ることで、動的WEBサイトを構築することができます。
また編集者は、専用の管理画面で情報を更新することで、WEBサイトの内容を用意に変更することができます。
この管理画面は、HTMLやスタイルシートがわからなくてもWordやExcelを更新する感覚で操作できます。
なんと言っても、圧倒的なシェア率です。ようするにWordPressを使用している人が多いということです。
使用している人が多いということは、それだけ情報が得やすく困ったときでもWordPressの使い方を開設したWebサイトがたくさんあり、すぐ解決できます。
また、WEBサイトを構築するためにはWebサーバーが必要となりますが、標準でWordPressに対応しているWebサーバーも数多く提供されています。
圧倒的なシェア率がデメリットにもなっています。それは、ハッカーに狙われやすいことです。
例えば、WordPressで構築したWEBサイトの管理画面は、https://ドメイン名/wp-admin から入ることができます。
管理画面の入り口がバレていますので、ハッカーにとっては容易に侵入することができます。
ですが、
など、基本的な対策を施すことで、不正侵入を回避することができます。
WordPressの圧倒的なシェア率のおかげで、有志が作成したテーマやプラグインが数多く存在します。
有料のものもあれば、無料で提供されているものもあります。
HTMLやスタイルシート、PHPの知識がなくても、既存のテーマとプラグインを組み合わせることで、本格的な動的WEBサイトを構築することも可能です。
既存のテーマとプラグインで、魅力的なWebサイトを作ることは可能です。ですが、オリジナリティーには欠けます。
HTMLとスタイルシートで魅力的な静的WEBサイトをベースにWordPressのテンプレートを作成すればオリジナリティーに溢れ、なおかつ管理や更新が簡単になる動的WEBサイトを構築することができます。
WordPressによるWEBサイト構築を仕事する場合、最低限「ゼロからテーマを作れる知識」が求められます。
完全オリジナルなデザインをお客様のご要望に合わせて作れてこそ、プロの仕事になります。
このシリーズでは、WordPressの構造を理解しながらテーマの作り方を解説していきます。
今回は、
について解説しました。
次回は、WordPressでWEBサイトを構築するための環境について解説します。
- PR -
Google Adsense
- PR -
Google Adsense