デザイン基本のキ
デザイン基本のキ#001 「色を知る」

  • DESIGN
  • 2022年06月22日 11時15分
デザイン基本のキ#001 「色を知る」

「デザインはセンス」と言われることがあります。たしかにセンスも必要でしょうが、まずは、基本をしっかり理解することが必要です。基本がしっかりしていれば、仕上がりの品質も格段にアップします。

デザイン基本のキ。第1回目の今回は、「」について解説します。

1.デザインにおける色

パソコンで作った資料を印刷したとき、「思ってたのと違う」と感じたことはないでしょうか?
これは、パソコンの画面(ディスプレイ)と印刷(プリンタ)の根本的な仕組みが違うからです。
ディスプレイはRGBプリンタはCMYKという色の表現形式になっています。

パソコンでデザインを行うには、このRGBとCMYKについてしっかり理解しておく必要があります。

2.RGB

光の三原色という言葉を聞いたことがあると思います。赤(Red)緑(Green)青(Blue)の頭文字をとってRGBとなります。
昔のテレビは、近づくと赤緑青の光が見えたものです。

RGBは、黒い面に赤緑青の光を当てることで色を表現しています。

RGBの表現方法は

  • 赤色 ・・・ RGB(1,0,0)
  • 緑色 ・・・ RGB(0,1,0)
  • 青色 ・・・ RGB(0,0,1)
  • 黄色 ・・・ RGB(1,1,0)
  • 紫色 ・・・ RGB(1,0,1)
  • 水色 ・・・ RGB(0,1,1)
  • 白色 ・・・ RGB(1,1,1)
  • 黒色 ・・・ RGB(0,0,0)

のようにR、G、Bを光らせる(1)光らせない(0)で表します。
コンピュータの黎明期は、光らせる(1)光らせない(0)だけでしたが、今では光の量を256段階(0~255)で調光できるようになり、その組み合わせで約1600万の色を表現できるようになっています。

そして、ここで重要になるのが白と黒です。RGBは、色が無いときが「黒」、すべての色を使うと「白」になることです。テレビの電源がついていないとき(赤緑青すべて消えてる)黒、テレビが明るいとき(赤緑青すべて点灯している)が白、と覚えるとよいでしょう。

RGBの知識として

  • 光の三原色、赤緑青の組み合わせである
  • 各色256段階(0~255)で約1600万の色を表現できる
  • 色の量により黒から白に代わる
  • RGBはディスプレイの色表現で用いる

の4点をしっかり理解しましょう。

3.CMYK

RGBが「色の三原色」と言われるのに対し、CMYKは「色料の三原色」と言われます。
青系のシアン(Cyan)、赤系のマゼンタ(Magenta)、黄系のイエロー(Yellow)を混ぜることで、色を表現します。
その色に対しKによって濃淡を加えます。
このKは、黒を表します。KUROのKではありません。キープレート(Key Plate)のKです。
本来であれば黒(Black)のBと表したいところですが青(Blue)と間違わないようにKとなっています。

CMYKの表現はRGBとは違い、各色0%~100%の101段階で表します。
シアン101段階×マゼンタ101段階×イエロー101段階×ブラック101段階=約1億色の表現となります。
例えばRGBの赤はRGB(255,0,0)と表しますがCMYKの赤(に近い色)はCMYK(0%,100%,100%,0%)と表します。

そしてここでポイントなるのが「色がない状態が白」であることです。正確には「元素材の色」となります。白い紙であれば白ですが、黒いTシャツであれば無色が黒になります。

CMYKの知識として

  • シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの組み合わせである
  • 各色101段階(0%~100%)で約1億色の色を表現できる
  • 色の量によって白から黒に代わる
    (ただし、素材の色によって白とは限らない)
  • CMYKはプリンタの色表現で用いる

の4点をしっかり理解しましょう。

CMYKでは各色101段階表現でき、約1億色を表現できます。

CMYKは白が黒になる。主にプリンタに使われる色であることを覚えておきましょう。

4.ディスプレイとプリンタと人間の目

RGBとCMYKの特色がわかると、「パソコンの画面(ディスプレイ)と印刷(プリンタ)」の色が違うことが分かったと思います。さらにCMYKであれば、素材の色によって色の見え方もことなります。
ではRGBならば、どんな環境でも同じ色に見えるでしょうか?応えは「No」のです。

これはディスプレイのメーカーによってRGBの濃度が違うこともありますが、一番は影響があるのが環境光です。
ディスプレイの光が人間の目に届く間に「太陽の光」であったり「照明の光」が混ざってきます。まったく同じディスプレイであっても見る場所によって色の見え方が違ってきます。特に「太陽の光」が厄介です。季節や時間帯、天候によって色が変わるからです。
ですから、プロのデザイナーや写真家は、太陽光を遮り純白の照明を使って撮影することが多いです。
詳しくは別の機会にお話ししようと思います。

いずれにしてもRGBでもCMYKでもディスプレイやプリンタの性能、制作物を見る環境(自然光や照明)によって、見え方が違ってくることは覚えておきましょう。

5.基準色に近づける

環境によって色の誤差が生じるとは言え、基準がなければ話が噛み合わなくなるばかりが、想定と違うものが出来上がったりします。そこで、RGB、CMYKそれぞれに「基準に近づける」方法があります。

5-1.RGBの基準に近づける

まずは、可能な限り自然光を遮りましょう。太陽の光は時間によって変わります。せっかく基準い合わせても数分後にはずれが生じます。

ディスプレイの色を基準に揃える装置があります。キャリブレータです。

メーカーの誤差、個体差、照明などの環境光を測定して基準となるRGBに調整する装置です。

5-2.CMYKの基準に近づける

CMYKを標準に近づける場合、目視で調整する場合が多いです。そこで活躍するのが「色見本」と「プレスマークカラーバー」です。

実際の用紙(素材)にCMKYを印刷して、色見本と合わせます。
印刷業者からサンプルをいただく際、余白部にプレスマークカラーバーが印字されていることがあります。これと色見本帳の色を合わせます。色見本は、光沢紙、半光沢、上質紙など紙の種類によって複数用意されています。

6.まとめ

デザインする過程では「画面で使う、または印刷で使う」を意識して、色モードを指定する必要があることを覚えておきましょう。

特にチラシやポスター、Tシャツなど印刷物を加工業者に依頼する場合は、CMKYモードで作成したデザインを入稿する必要があます。RGBで入稿した場合に断られたり、想定と違う色で仕上がる場合があるので注意が必要です。

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